
愛媛県上浮穴郡久万高原町大川ハ柱神社境内にある堂山大権現の総祈願所
(堂山鎮守社 星の宮 権現宮 御山権現)
愛媛県上浮穴郡久万高原町大川の堂山大権現

美川峰の麓山中の堂山大権現社
堂山大権現の聖地

堂山大権現の聖地は美川峰の雨乞いの森岩肌の窪みの中にある
堂山大権現(どうやまだいごんげん)は、愛媛県久万高原町大川に鎮座する小さな祠(ほこら)です。しかし、その存在は単なる祠にとどまらず、村人たちの願いと歴史を映し出す重要な場所でもあります。
この堂山大権現は、江戸時代初期の久万山領民による佃十成(つくだ かずなり)排斥運動と深く関わっています。佃十成は、伊予松山藩主・加藤嘉明(かとう よしあき)から久万山の知行を任されていましたが、その支配は過酷なものでした。領民たちは苦しみながらも、ついに声を上げ、寛永3年(1626年)に加藤嘉明へ愁訴を行い、佃の更迭を求めました。そして、翌年の寛永4年(1627年)、加藤嘉明の福島転封とともに佃十成の久万山支配は終焉を迎えたのです。
村人たちは、この歴史的な出来事を「神仏の加護によるもの」と考え、堂山大権現に祈りを捧げました。ここには「民の願いが歴史を動かす力となった」という信仰が息づいています。
現在、堂山大権現は静かな山間にひっそりと佇み、往時を偲ばせる雰囲気を残しています。小さな祠ながら、その背後には領民たちの勇気と信念が刻まれた物語が秘められています。
訪れた際には、ぜひこの地に込められた祈りと歴史に思いを馳せてみてください。