希少な高原の初夏の花ササユリ
上品な甘い香りと淡いピンク色が特長の美しいユリの花です。
高原に咲く可憐なササユリの花を見ると心が癒されます。
久万高原町のササユリ 【人工林の伐採や間伐後に咲いたササユリ】
久万高原町の町花に指定されている高原の花ササユリ
ササユリは日の光が大好きな花です。
暗い植林地の中では花が付きません。
仮に花がついたとしても色白く小さな花にしかなりません。
久万高原町大川嶺の人工林が伐採されて開けた山並み
人工林の伐採や間伐作業を行う久万高原町の林業会社(株式会社さんえい)
暗い人工林を伐採すると高原の花ササユリが待ちかねたように花を咲かせていました。
ササユリは伐採や間伐で地面に日が当たりだすと美しい花を見せてくれます。
下の写真のササユリは長年暗い植林地の中で花を付けずに葉だけで耐え続けて伐採で日の光を浴びやっと咲くことが出来ました。
伐採跡地のササユリのつぼみ
全伐で明るくなった山肌には下草が生えて沢山のササユリが出ていました。
ササユリ減少の原因は盗採採取、盗掘と言われますが一番大きな原因は杉、ヒノキの植林(人工林)によって山肌に草一本生えない暗い日陰を作ってしまった事にあります。
山が明るくて沢山のササユリがあった頃(50年ぐらい前)は、地元の小学生たちが学校行事でササユリ採り(球根は残した切り花)に行って集めたササユリの花を松山市内の病院に送っていたそうです。
当時の子ども達は学校の教室に飾る花にササユリを山でとって持っていきました。
初夏の地域の家庭の玄関先には農作業の帰りに山からとって帰ったササユリが飾られ、家の中に甘い香りが漂っていました。
また、地域の公共施設や店舗、駅、病院の病室等々にも季節が来るとササユリが飾られていました。
明るい山があればいくらとっても翌年には沢山のササユリが雑草のように咲いていました。
その後、ササユリが咲いていた里山は植林されて山の中はササユリが育たない暗い山肌になってしまいました。
近年人工林の整備で間伐や全伐がすすみ山肌が明るくなりました。
今後明るくなった山に沢山のササユリが咲くことを楽しみにしています。
下の写真のように木の小さな幼齢林で地面に日の光が届く間は花を咲かせますが、写真奥のように暗くなった山肌になるとササユリは花を付けません。
大川嶺標高1000mあたりのササユリの開花は6月中旬~6月下旬です。
標高が高くなると少し遅くなります。
伐採されて日が当たる山肌になるとササユリとともに下草や山菜も生えてきました。
明るくなった山に育つウド